ご参加及びご参加を検討中の皆様、代表の濱田です。
今年も 8 月の大会が近づいてきました。
今回のコラムでは皆さんにこの大会や規則についてより理解していただくために競技レギュレーションについて詳しく内容をみていこうと思います。前半は本年度のレギュレーション改定について、その後は昨年度の記事の再掲になります。
お伝えしたいことがたくさんあり非常に長い文章になってしまったのですが、どうか最後までお読みくださいますようお願い致します。
・本年度のレギュレーション改定部分
1.パイロン接触についての規定を改定しました。
昨年度は「チョークマーキングの枠からはみ出たらペナルティ」でしたが、マーシャルがより正確に判定しやすくすることを目指して本年度からは「倒れるか完全に枠から出てしまったら(マーキングの□が見える状態)ペナルティ」に変更となりました。
2.昨年度は会場にて口頭で説明したのですが、実は昨年度フライングの規定が抜けておりましたので本年度より追加されております。
・レギュレーションの解説について昨年度の記事を若干修正して再掲します。
我々が新しい大会と付随する練習会を開催しようと考えたのは、北関東~東北・甲信越・北陸地方などの地方の練習会でこれから新たに選手になるであろう大会未経験の方々が活発に活動されており、またモトジムカーナに興味はあるけど参加をためらっている潜在的な新規ユーザーが多くいらっしゃると考えたからです。
それらの方々の地元近くで継続して大会を開催することで日頃の練習の成果を発揮して活躍する舞台をつくりたい、モトジムカーナに親しみ練習する目標になるようなイベントをつくりたい、そしてゆくゆくはこの大会をきっかけに認定大会に足を運んでほしいという思いで開催を決めました。
そのためこの大会レギュレーションを決める際に心がけたのはまだまだ認知度の低い競技であるモトジムカーナについて「我々既存の選手から見てではなく、これからモトジムカーナを始める方や興味を持ってくださる方、観戦に訪れる地元や企業の方々がレギュレーションを読めばどんな競技なのか理解できる」ということです。
新しいユーザーの方に伝わるよう、誰にとってもわかりやすく開かれた規則であることを目指しました。
また、これから参加に向けて準備を始める方がどんな準備をして臨めばよいかのガイドラインになるものとしました。基本的には既存のルールに沿ったものとなっておりますが、大会独自のルールもありますのでレギュレーションについてその意図などを踏まえつつ解説していきたいと思います。
・1 章~4 章
ここでは本規則の理念、モトジムカーナチャレンジカップにおける競技内容や用語についての定義などが記載されています。本大会はここで定義した内容の競技会を主催します。
FAQ
Q.認定大会と違う用語や定義がありますが?
A.はい、あくまでもここに記載の内容はモトジムカーナ全体ではなくモトジムカーナチャレンジカップにおけるものと理解してください。
Q.ライダーの出場資格に関する規定はありますか?
A.特に規定を設けておりません、年齢や免許の有無を問わず規則を守り安全にバイクの運転ができる方であればどなたでもご参加いただけます。
ただし未成年者の出場にあたっては保護者もしくは監督責任者(以下まとめて監督者)の同伴を必須とします。出場選手、監督者は共に競技規則を理解してからご参加ください。監督者は会場内において常に出場選手の安全と規則遵守に対し責任を持って監督してください。
・5 章 出場車両規定
ここでは参加するバイクについての義務規定と推奨規定が記載されております。
義務規定は自他ともに安全に競技を楽しんでいただくために、また円滑な競技進行のために最低限このくらいの協力はしていただきたいという実行委員会からのお願いです。
推奨規定に関してはそこからさらに一歩踏み込んだ安全対策として皆様が車両準備を進める際の参考になるよう努力目標として記載しました。
FAQ
Q.フルノーマルのバイクでは参加できないのですか?
A.初級クラスの方は義務規定の一部が免除されます(規定 5.3)のでフルノーマルのバイクでもご参加いただけます。
C2 級以上の方は安全対策へのご協力を宜しくお願い致します。
Q.ボアアップされた車両やエンジンを乗せ換えた車両は参加できますか?また車検のないバイクでも参加できますか?
A.はい、ご参加いただけます。レギュレーションにエンジンや排気量、公的車検に関する規定はありません。
Q.公的書類とは車検証や登録証のことでしょうか。
A.公的機関が発行して車体番号がわかるものであればすべて公的書類として扱います。
Q.事務局の認定したモトジムカーナ専用車両とはどのようなものですか?
A.体格的に一般市販車に乗ることが難しい児童参加者がナンバーの取得が難しいポケバイやキッズバイクで参加する場合を想定しております。その他特別な事情があり参加許可を得たい方は事前にご相談ください。
Q.タイヤの摩耗や損傷で規定違反となるのはどんな場合ですか?
A.明らかにスリップサインを超えているような摩耗をしてワイヤーが露出している場合やサイドウォールにピンチカットなどの明らかな損傷があり競技走行に堪えないとオフィシャルが判断した場合はお声掛けさせていただきます。
Q.ナンバープレートは外しても良いのですか?
A.はい、鋭利なアルミの板となりますので転倒時などに危険なため外したいという方は外しても良い規定になっています。
Q.リモートキルスイッチはどんなものですか?
A.リモートキルスイッチについては転倒時にライダーがバイクから離れたら自動的にエンジンが停止するような仕掛けのことを指します。
参考までに製品を紹介しますが制作方法については車輛によりますので確認をお願いします。http://tricomz.shop-pro.jp/?pid=121110580
Q.会場の排気音量規定を教えて下さい。
A.大会会場である群馬サイクルスポーツセンターのガイドラインに従い 103db 以内となります。
Q.朝車検はしないのですか?
A.はい、事前車検は行いません。事後車検も毎回ではなく、競技走行終了後に抜き打ちで行う場合があります。
Q.練習会もこの車両規定に沿った車両でないと出られませんか?
A.安全に関する規定なのでできれば規定に沿った車両でお越しいただきたいのですが、練習会は規定を設けておりませんので一般的なメンテナンスのできた車両であれば参加していただけます。
6章 ライダー装備規定
ここでは参加される方の装備についての規定が記載されています。
この規定も車両規定と同じく安全に楽しんでいただくために最低限このくらいの準備とご協力をしていただきたいという実行委員会からのお願いです。
車両・装備ともにサーキットなどと比べてかなり緩やかな規定となっておりますが、単走の競技であることやスピードレンジ、実際に近年発生した事故や怪我の状況などからどこまでを規定に盛り込むかを選定しました。
車両規定・装備規定ともに既存の選手の皆様からすると疑問に思うところはあるかもしれませんがここで重視したのは「これからはじめる初心者の方が誤解なく準備を進められる適切なベンチマークになること」です。
規定自体にはかなりの裁量幅があり長年競技に携わっておられるベテラン選手の皆様がそれぞれの経験で培ったノウハウを否定するものではありません。
FAQ
Q.シールドを上げての走行やゴーグルなしでの走行は出来ないのですか?オフィシャルの特別な許可とは何ですか?
A.はい、実際に失明など重大な怪我につながりかねない事故が近年発生しているため競技走行中は顔を保護していただくようお願い致します。
特別な許可とは競技当日に荒天などによる視界不良のためシールドおよびゴーグルをしている方が危険であると判断された場合にオフィシャルから全選手に許可を出すことなどを想定しています。
Q.プロテクターとはどのようなものが規則に合致するのでしょうか。
A.プロテクターについて規格や形状の指定はしておりません、ご自身で最適と思うプロテクターを選定して装着していただくようお願い致します。ソフトプロテクター、ハードプロテクター、革の重ね当て、レーシングスーツの厚革など怪我を防止し緩衝機能を持つものはすべてプロテクターとして扱います。
7 章出走クラス、8 章ゼッケンナンバー
ここでは参加申し込みをする際の出走クラスやゼッケンについて記載されています。
FAQ
Q.JAGE ではノービス級、地方大会で C2 級相当の認定を持っています、出走クラスはどちらで申し込めばよいですか?
A. 基本は JAGE ライセンスに準拠し申し込みしますがこの場合どちらでも申し込み可能です。久しく認定戦は走っていないが地方大会には継続して参加され実力をつけている方やライバルと同じクラスで走りたい、自分の力量に合ったクラスで走りたい、もっと上を目指してチャレンジしたいという皆様のプライドを尊重します。
Q.ゼッケン順は申し込み順で決まるのでしょうか。
A.シーズンパックで申し込みされた方に優先してゼッケン番号を割り振ります。
シーズンパック申込者→大会単発での申込者となりそれぞれ先着順に小さいゼッケンから割り振られます。出走順は基本的にゼッケンの降順となります。
9 章 大会の流れ
ここでは大会の基本的な流れを記載しています。
はじめて大会に参加する方でも大きな流れがわかるよう記載しました。
10 章 ペナルティ
ここでは競技走行中のペナルティについて記載されています。
ペナルティの取り方は認定大会をベースにしつつ各大会ごとに若干異なっており、モトジムカーナチャレンジカップでも独自のペナルティ基準となっております。出来る限り曖昧なところをなくし、ミスジャッジが少なくかつ既存規則の競技性を損なわないことを目標に設定しました。
FAQ
Q.パイロンは触っただけではペナルティにならないのですか?
A.パイロンに接触してもパイロンがその位置を示すマーカーの枠内に一部でもかかっていればペナルティになりませんがマーカーから完全にはみ出していたらペナルティとなります。
Q.足付きは禁止なのですか?
A.基本的に足付きはペナルティとなりません、ただし足付き禁止と指定したエリア内で足を付いた場合ペナルティとなります。
Q.ゴールエリア内で車体が完全に停止しても足を付かなければペナルティになりますか?
A.はい、完全停止後足を付いてタイムアタック終了となります。車体が完全に停止しても足を付かなかった場合はペナルティとなります。
11 章 禁止行為
ここでは失格に関する規定が記載されています。
主に安全への配慮や円滑な運営という観点からやむを得ず失格にせざるを得ない場合を厳選して選定しました。
また、規定は積極的に失格にすることを意図したものではなくお声がけや改善に向けた助言などを行い可能な限り皆様に完走して楽しく帰って頂きたいと考えております。
FAQ
Q.ライダーズミーティングに参加できないと失格なのですか?
A.ライダーズミーティングでは当日の重要事項の告知、規則やコースについての追加説明など競技進行上重要なお知らせがある場合があります。後々「聞いていなかった」となりつまらない思いをしないためにも必ずご参加ください。もし何らかの事情で参加できなかった場合はすぐ事務局にご連絡ください。
12 章 表彰
ここでは競技結果の表彰について記載しています。
大会の結果は日頃の皆様の練習の成果です、入賞を目指して楽しく参加していただきたいと思います。
FAQ
Q.認定や昇格はあるのですか?
A.はい、独自にライセンス認定させていただきます。
モトジムカーナチャレンジカップは認定大会ではありませんので独自認定となり他の大会には影響しませんが、皆様の練習で培った技術レベルを証明するものですので是非認定を目標に参加してもらえればと思います。
ここまで長らくお付き合いいただきありがとうございます。
恐らくこのコラムの中でもっとも長文で緊張感のある文章になってしまったのではないかと思います。
レギュレーションは競技のかたちそのものであり、我々がどんな思いで大会を企画運営し何を目指しているのかがこのレギュレーションに詰まっています。
我々の思いや情熱を知っていただきもし共感してくださったなら、ご参加いただくことで賛同の意を表していただけますと我々の、そして皆様の思いが今後につながり新しいイベントが根を下ろし新しい仲間の輪を広げていくことができます。
皆様の暖かいご理解ご協力をどうか宜しくお願い致します。