コラム

人生で一番長くて一番短い100秒間 ~モトジムカーナとは~

皆さんはじめまして(はじめましてな人向けの記事です笑)。

モトジムカーナチャレンジカップ主催委員会代表の濱田と申します。

この大会は地域の皆さんにモトジムカーナを知ってもらい、実際にチャレンジしてもらうことでモトジムカーナの楽しさや魅力を知ってもらいたいという思いが込められています。

モトジムカーナは見た目は地味で何をやっているのか外からはわかりづらい競技ではありますが自分でやってみると本当に奥が深く面白い競技です。

俺自身大型バイクに乗り替えたことがきっかけではじめて参加した練習会で夢中で走り込んだ楽しさが忘れられずA級になるまでのめり込んでしまいました。

大人になってこんなに物事に熱中してまるで学生の部活のように取り組めることが見つかるなんて思ってもみませんでした。

ではそんな魅力あふれるモトジムカーナとはどんな競技なのでしょう。

モトジムカーナ動画の元祖である二輪人さんの動画で詳しく紹介されていますのでまずこちらをどうぞ。

良い動画ですね、モトジムカーナがどんな競技なのかよくわかります。

モトジムカーナ競技の定義を公式が発表しているわけではないのですが、一般的には

・公道を走行可能なナンバー付き車両で参加

・単走のタイムアタック

・当日発表のコースを歩いて覚え攻略する

・2本走って良い方のタイムが記録となる

・80〜100秒前後のコース長

・180度以上回り込むようなテクニカルなターンを含む大小60前後のターンで構成されたコースで最高時速60km/h程度

一部例外はあるものの上記の条件で競われる競技です。

上記のような特徴からモトジムカーナはバイク・速度レンジ・操作など「最も公道走行に近いモータースポーツ」と言われています。

実際の具体的なコースレイアウトで言うと、ジムカーナ選手からするとミニサーキットのシケイン区間やカートコースのコーナーですらどちらかと言えば高速コーナーにあたるくらいの速度域で走る競技です。

最高速度60km/h程度、かなり大きなコースでも70〜80kmほど、アベレージスピードで30km/h前後でしょう。

つまりほとんど全域を街中の公道走行の速度域で走る競技だということです。

そしてその速度域でしっかり車体をバンクさせフル加速フルブレーキングを行い、タイヤの限界まで負荷をかける旋回を行うのがモトジムカーナです。

そしてジムカーナならではの息つく暇もない素早い切り返しやバイクが最も不安定になる極低速で180度以上回るターンなどバイクの運動性能を限界まで引き出す非常にテクニカルなスポーツ走行が楽しめます。

比較的安全な速度域でバイクやライダーの限界に挑戦できるというのもモトジムカーナの魅力の一つで、長い歴史の中で一度も死亡事故が発生したことはないそうです。

参加車両は基本的に公道走行可能なナンバー付きの車両となっています。

速度域の低さもあって、パワーによる差がないわけではありませんが基本的にはマシン性能による差は他のモータースポーツに比べると非常に少なくライダーの技量の割合が大きい競技です。

そのため同一クラスで12インチ80ccのミニバイクと1000ccのスーパースポーツが同じようなタイムで競い合うという他の競技では絶対見られないような面白いレースが楽しめます。

そういった競技特性のためクラス分けはライダーの成績によってなされ他の競技のように細かいマシンレギュレーションは存在せずナンバー登録されている車両であれば排気量種類改造問わずの無差別級となっています。

参加レギュレーションが緩いが故に普段乗っている好きなバイクや思い入れの強いバイク、自慢のカスタムマシンで参戦することもできます。

まずはモトジムカーナの醍醐味である自分の大好きな愛車を意のままに操ることができるという快感を是非味わってください。

バイクはパワーよりも中低速特性、絶対的な旋回性能よりも扱いやすさが重視されるためSSのような超高性能車でない一般的なバイクでも十分な競争力を発揮できます。

バイクがそのライダーに合っているか、そのライダーのイメージ通りに走れるかが何より重要なため多くのライダーが思い思いのバイクを駆り参加車種は非常にバラエティに富んでいるというのもジムカーナの魅力の一つですね。

モトジムカーナではサーキットと違ってスタートしたらゴールするまで休めるような直線はありません、ターンとターンはすべて連なっており常に曲がり続けているような競技です。

そのためたった1分半のタイムアタックでもその中に様々な要素が詰まっていてものすごく密度が高く、研ぎ澄まされた高い集中力を要するのも特徴です。

自分のこれまでの準備や練習の成果をたった100秒に濃縮して表現する大会でスタートラインに立ってからゴールするまでの時間は、多くの人にとっておそらく人生で一番濃密な100秒間なのではないかと思います。

是非、普段自分の乗っているバイクと装備で体験できる「非日常の世界」にチャレンジしてみてください!

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