コラム

ジムカーナ準備 バイクについて

さて間が空いてしまいましたがライダーの装備に続いて今回はモトジムカーナを始めるにあたってバイクについてはどのような準備をすればよいのかをお伝えしたいと思います。
どんなバイクなら参加して良いのか、何かカスタムや準備は要るのか、新しくバイクを用意しないといけないのか、情報を集めていると色々考えてしまいますよね。

結論から言ってしまうと「まずは今乗っているあなたの愛車でそのまま来てくださってOKです!」
もちろん車両によって向き不向きはありますが、最初から特別な競技車両を準備する必要はありません。
もちろん安全に思い切り楽しもうと思ったらそれなりの準備が要ります、しかし「普段自分が乗っている普通のバイクで、こだわりの大好きな愛車で参加できる」というのもモトジムカーナの大きな魅力のひとつです。
まずは大好きな愛車を安全なコース内で自由に操り、理解を深め、バイクと自分との距離がどんどん近づいていくという快感を是非味わってみてください。

中にはスクーターやメガクルーザー、大型アドベンチャーモデル、Z-1のようなヒストリックバイクで楽しまれている方もいらっしゃいます。
装備面だけでなく、車両を選ばないという点でもモトジムカーナはサーキット走行などの他の競技よりもはじめる敷居は低いといえます。

モトジムカーナの速度域ではパワーの差はさほど問題にならず、競技の中心となる極低速のコントロールはマシンの性能よりも人間の性能の方がはるかに重要度が高いのでマシンによる差がサーキットのように顕著には出づらいという特徴があります。
そのため車両や排気量によるクラス分けや制限はされておらず、向き不向きはありますがどんなマシンに乗っていてもそれぞれの楽しみ方で競技を楽しむことができます。
80ccのKSRとGSX-R1000が同じ土俵で張り合っているという他ではありえない不思議さがモトジムカーナの面白さなのです。

もちろんモトジムカーナに向いているタイムが出しやすい車両や先輩方の努力でノウハウが蓄積された定番車両(定番には皆さんに選ばれている理由がちゃんとあるのです)というのもありますし、最初から本格的に競技をやるために準備したいという方は車種選びから楽しむのも大いにアリだと思います。
個人的にはまず今あるバイクで参加して実際に体験してみて「もっと本格的にやりたい、上位クラスで走りたい」と思うようになってから乗り替える方が現場での情報も集められておススメです。

ご自身の乗っている普段通りのバイクでも参加できるモトジムカーナですが、冒頭でふれたように少々準備してお越しになるとより安全に、思い切り楽しむことができます。
これからモトジムカーナを始めたい方向けにこれくらい準備しておけば大丈夫!というおススメのカスタムや支度をいくつかお伝えします。

☆ジムカーナバンパー
これはもう真っ先にカスタムしたいポイントですね!
ジムカーナ車両と言えばまずこれを思い浮かべる方も多いと思います。
専門店が作成するジムカーナバンパーは長年の競技ノウハウをもとに作成され、バンク角などの性能を犠牲にすることなく転倒によるマシン破損をほぼ防ぐことができます。
カウル、メーター、タンクなど壊れると高くつくパーツ、レバーやハンドル、クランクケースカバーなどの壊れやすく壊れると自走が不可能になるパーツ、そのほとんどはバンパーを装着すると転倒してもめったに接地しません。
ジムカーナ以外でも普段乗りでの立ち転けが全然怖くなくなる、倒した時の角度が浅くなり引き起こしが劇的にラクになるというちょっと嬉しいメリットもあります(笑)
そして最大のメリットはバイクではなく人間を守れることです、バンパーによりバイクと地面の間に隙間が出来るのでライダーがバイクに挟まれることなく転倒のダメージを最小限にとどめます。
壊れにくく怪我しづらいことは100%出し切って攻める際に大きな安心感と信頼感を生み出します。
大事なのは「壊れない、怪我しない」こと自体ではなく「だから安心して思いっ切り走れる」ことなのです。

本大会に協賛をいただいているモトジムカーナ専門店パワーバンドきむら様はジムカーナバンパーを1台1台丁寧にワンオフ対応で制作してくださいます、サイズなど細かい要望にも応えてくださいます。
パワーバンドきむら様

モトジムカーナ以外の方からも知名度の高いSSB様では通販対応してくださいますので地方の方でも購入しやすいと思います。
SSBファクトリー様

☆予備部品(+対策部品)
ブレーキやクラッチのレバーが折れると折れた個所によっては走行不能になってしまいます。
予備を持っていればよいですが、なければその先練習することも走って帰ることもできなくなってしまいます。
バンパーを付けていても転倒の仕方によってはバンパーを軸にレバー回りまで接地してしまうことはありますので安心して走るために予備を準備して対策をしておく必要があります。
実は純正レバーは結構優秀で、すぐ曲がってしまう代わりに自走不能になるような破損をすることが少ないです。
可倒式のショートレバーなども質の良い物であれば対策としてはアリですが信頼のおけないメーカーのものはやめておきましょう。
車種によっては接地面に応じてこれに予備のステップやペダル(もしくは接地しないようショート化したもの)があるとより安心です。

☆状態の良いタイヤ
バイクは極論するとタイヤの付いたエンジンに直接跨るという極めてシンプルかつワイルドな乗り物です。
バイクは二つのタイヤのほんのわずかな接地面積でエンジンのパワーを路面に伝え、車体の重量や走行の負荷を支えているのです。
古くなってゴム質が硬化したタイヤやすり減って形の崩れたタイヤだと普段乗りではそこまで気にならなくてもスポーツ走行では力不足です。
そういったタイヤは接地感が薄くて走るのが怖かったり、ハンドリングが悪く乗りづらかったりして速い遅い以前の問題として楽しく気持ち良く走れません。
不意にスライドしたり、思ってもみない挙動を起こしたりと初心者にとって危険ですらあります。
タイヤは消耗品です、もしご自身のバイクのタイヤを見て製造からずいぶん経っていたり大分すり減っているなら思い切り楽しむための投資だと思って早めに交換しましょう。
その際にせっかくだからスポーツグレードのタイヤを入れてみませんか?もちろん温度依存の強いレース用タイヤではなくあくまで公道用スポーツタイヤです。
先述したようにタイヤはバイクにとって最も重要なパーツの一つであり、消耗品であると同時に一種のカスタムパーツでもあるのです。
スポーツグレードのタイヤはそのプロファイルや接地感でより気持ち良く楽しくスポーツ走行を味わうことができますよ(^^)

☆メンテナンス
このページをご覧になっている方はバイクが好きな方が大多数と思いますので普段からメンテナンスはある程度されているのではないかと思います。
一般的な日常メンテは出来ているとしてモトジムカーナにお越しになるのに特別なメンテナンスというのは必要ないのですが普段の日常点検や日常メンテナンスに加えて以下のようなメンテナンスをしておくと不安やトラブルなく1日楽しく走れるのではないかと思います。
・トルクレンチによる増し締め
バイクは振動などでボルトが緩んだり逆に締まりすぎてしまったりするのは日常茶飯事です、各ボルトをトルクレンチで規定トルクに締め直しておくだけで液体を漏らしてコースを汚してしまったりつまらないトラブルが起きるのを予防できます。
また、足回りなどは案外ショップでもザルなトルクで締められていることがあってちゃんと規定トルクで締め直したら動きが良くなったなんてこともありますよ(^^)
・油脂類や冷却水の交換
モトジムカーナで特に酷使されるのはブレーキフルードと冷却水です、しばらく替えてなくて劣化しているとあっという間に沸いてしまいます。
基本1速でエンジンを回すのでエンジンオイルも交換時期が近いなら替えておいた方が精神衛生上良いかと思います。
楽しくたくさん走り回るためにもこの辺りはフレッシュにしておきたいですね。
不安であれば行きつけのショップさんに事情を説明して念入りに点検してもらうというのもアリですね。

細かいことやおススメを列挙していくと際限がなくなってしまいそうなのでこのくらいにしておきます(笑)
要するに「ちゃんと整備された普段のバイク」であれば問題なく参加可能ということですね、それに転倒対策が施してあればばっちりです。
特にバンパーは高価に感じるかもしれませんが、受ける恩恵や万一転倒で大きな破損をしてしまうことを考えるとまったく損のないパーツです。
結局遅かれ早かれ装着することになると思いますので迷っているなら注文しちゃいましょう!

本格的に取り組もうとするともちろん他に必要なものは出てきますがはじめの一歩を踏み出すのにはこのくらいの準備で大丈夫です。
初参加ですと不安なことも多いと思いますがまずは飛び込んでみてください、一緒に楽しく走りましょう!

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